飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の違いとは?健康的な食生活のための脂質の知識

私たちの日常生活において、脂質は重要なエネルギー源であり、体の機能を維持するために欠かせない栄養素です。しかし、すべての脂質が同じというわけではありません。特に、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸は、健康に影響を与える可能性があるため、注意して摂取することが必要です。
本記事では、これら二つの脂肪酸について詳しく解説し、健康的な食生活のための知識をお伝えします。
目次:
1. 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の基礎知識
2. 食品中の飽和脂肪酸とトランス脂肪酸
3. 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の体への影響
4. 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の摂取量の目安と注意点
5. 健康的な脂質摂取のための実践的アドバイス
6. まとめ

1. 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の基礎知識

1.1 飽和脂肪酸とは

飽和脂肪酸は、分子内の炭素原子がすべて単結合で結ばれた脂肪酸です。常温で固体になる特徴があり、主に動物性食品に多く含まれています。
飽和脂肪酸とは

1.2 トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸の一種です。
不飽和脂肪酸には、炭素間の二重結合のまわりの構造の違いにより、シス型とトランス型の2種類があります。
天然の不飽和脂肪酸のほとんどは、炭素間の二重結合がすべてシス型です。これに対して、トランス型の二重結合が一つ以上ある不飽和脂肪酸をまとめて「トランス脂肪酸」と呼んでいます。グリセリンに結合している脂肪酸の一つ以上がトランス脂肪酸である油脂を「トランス脂肪」といいます。 
引用:すぐに分かるトランス脂肪酸|農林水産省

2. 食品中の飽和脂肪酸とトランス脂肪酸

3.1 飽和脂肪酸を含む主な食品

飽和脂肪酸は、以下のような食品に多く含まれています。

- 肉類(特に脂身の多い部分)
- 乳製品(バター、チーズ、クリーム)
- ココナッツオイル、パーム油
- 加工食品(菓子類、ファストフード)

3.2 トランス脂肪酸を含む主な食品

トランス脂肪酸には、天然に食品中に含まれているものと、油脂を加工・精製する工程でできるものがあります。
特に以下のような加工食品にはトランス脂肪酸が含まれているものがあります。

- マーガリン(特に固形タイプ)
- ショートニング
- 一部の菓子類(クッキー、クラッカーなど)
- フライドポテトなどの揚げ物

3. 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の体への影響

3.1 飽和脂肪酸の影響

飽和脂肪酸は、過剰に摂取することによって健康に悪影響をもたらす可能性があります。飽和脂肪酸を取りすぎることで、血中総コレステロールが増え、心筋梗塞をはじめとする循環器疾患のリスクが増加すると言われています。
そのため、健康を維持するためには、飽和脂肪酸の摂取量をコントロールし、バランスの良い食生活が推奨されています。
引用:農林水産省|脂質による健康影響

3.2 トランス脂肪酸の影響

トランス脂肪酸については、食品からとる必要がないと考えられており、むしろ、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています。日常的にトランス脂肪酸を多くとりすぎている場合には、少ない場合と比較して心臓病のリスクが高まることが示されています。
引用:すぐに分かるトランス脂肪酸|農林水産省

4. 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の摂取量の目安と注意点

4.1 飽和脂肪酸の摂取目安

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」は、18歳以上の男女の飽和脂肪酸摂取の目標量を、総摂取エネルギーの7%相当以下としています。
令和元年(2019年)国民健康・栄養調査の結果から計算したところ、20歳以上の日本人の飽和脂肪酸の平均摂取量は、総摂取エネルギーの8.4%相当でした。
これらの数値から、日ごろから飽和脂肪酸をとりすぎることがないよう、注意する必要があることが分かります。
引用:脂質のとりすぎに注意|農林水産省

4.2 トランス脂肪酸の摂取目安

国際機関が生活習慣病の予防のために開催した専門家会合(食事、栄養及び慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家会合)は、食品からとる総脂質、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等の目標値を2003年に公表しました。

その中で、トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%に相当する量よりも少なくするよう勧告をしています。日本人が1日にとるエネルギー量の平均は約1,900 kcalであり、この1%に相当するトランス脂肪酸の量は約2グラムです。
引用:すぐに分かるトランス脂肪酸|農林水産省

5. 健康的な脂質摂取のための実践的アドバイス

5.1 食品選びのポイント

- 脂身の少ない肉を選ぶ
- 低脂肪乳製品を利用する
- 固形マーガリンの代わりに植物油を使用する
- パッケージの成分表示を確認し、トランス脂肪酸を含む食品を避ける

5.2 調理法の工夫

- 揚げ物を控え、焼く、蒸す、煮るなどの調理法を選ぶ
- オリーブオイルや菜種油など、不飽和脂肪酸を多く含む油を使用する
- 調理時の加熱温度を適切に保ち、油の劣化を防ぐ

6. まとめ

飽和脂肪酸とトランス脂肪酸は、共に過剰摂取を避けるべき脂肪酸です。しかし、飽和脂肪酸は適度な摂取であれば体に必要な栄養素である一方、トランス脂肪酸は可能な限り摂取を控えることが望ましいとされています。

また、健康的な食生活を送るためには、飽和脂肪酸の摂取量を減らすだけでなく、不飽和脂肪酸との適切なバランスを保つことも重要です。以下の食品を積極的に取り入れることで、健康的な脂肪酸バランスを保つことができます:

- 魚類(サバ、サーモン、イワシなど)
- ナッツ類(アーモンド、くるみ、カシューナッツなど)
- 種子類(ひまわりの種、かぼちゃの種、チアシードなど)
- アボカド
- オリーブオイル
- 亜麻仁油、ローストアマニ

これらの食品には、オメガ3脂肪酸をはじめとした体に良い不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

不飽和脂肪酸であるオメガ3脂肪酸をたっぷり摂れるおすすめレシピをご紹介します。
<アマニサバトースト>
アマニサバトースト
出典:「NIPPNおいしいレシピ」

材料(食パン2~3枚分)
●    ニップン ローストアマニ粉末:大さじ1
●    ニップン アマニ油入り マヨネーズ:大さじ2
●    サバの水煮缶:1缶(固形量160g)
●    玉ねぎ:30g
●    レモン汁:小さじ1
●    焼のり:全形1/2枚分
●    大葉:3枚
●    ミニトマト:9個
●    食パン:2~3枚

作り方
①玉ねぎはみじん切りにする。サバの水煮缶は汁気を切り、玉ねぎ、アマニ油入りマヨネーズ、レモン汁を加えて混ぜ合わせる。
②大葉は細切りにする。ミニトマトは半分に切る。
③食パンをトーストし、焼のりを一口大にちぎってのせ、①のサバフィリングを適量のせ、アマニ粉末、大葉、ミニトマトをトッピングする。

ワンポイントレッスン
お手軽に利用できるサバの水煮缶をサンドイッチのツナフィリングのように、玉ねぎとアマニ油入りマヨネーズで和えて。臭味けしにレモン汁を少し加えるのがポイント。のりや大葉も良いアクセントに。トーストしたパンにとても良く合います。花粉症対策にも良い、朝食におすすめのメニュー。

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ローストアマニ粉末

香ばしくローストしたゴールデン種のアマニ粉末を、便利な使い切りスティックタイプにしました。
使いきりタイプなのでお弁当や外出時等の携帯にも便利。「アマニスト」なあなたにおすすめです。
1日1袋(5g)を目安に、サラダ、おひたし、スープ、ヨーグルトなど、何にでもかけてお召し上がりください。
アマニにはオメガ3脂肪酸の1つであるα-リノレン酸、食物繊維、アマニリグナン(ポリフェノールの一種)が豊富に含まれています。
ニップンのローストアマ二粉末はニュージーランド産のアマニを使用しています。【日本アマニ協会認定商品】